前回のお話はこちら
https://seaknow.xyz/serialstory/nekonote/919/
小さな白い蛇が一匹、伸びて横たわっていました。生きてるのかしら。ソラは手を伸ばしてちょんと触ってみました。ひんやりとしています。みっちりと体を覆ううろこはところどころ金色に光って、それは美しいのです。そっと持ち上げると、手にだらんと小さな重みを感じました。
と、
ぐにゃんと蛇のしっぽが揺れ、ソラの腕に絡みついたのです!
「うわぁっ」
ソラは驚いて振り解こうとしました。しかしがっちりと巻きつかれてしまいました。蛇は鎌首を持ち上げチロチロと舌を出して、こちらを見ています。
「何もしないよ!」
ソラは腕をぶんぶん振るって叫びました。しかし、もがくほどにぎゅうっときつく締め付けられます。
「君が倒れてたから・・・」
腕はしびれて、少しずつ感覚がなくなってきます。もう力も入りません。目の前にぼんやり金色の目玉があります。目玉は瞬きすることもなく、ソラをとらえています。心の奥の奥の深いところまで、見透かされそうな光でした。
キーン、と、何か美しい音が響きました。磨かれた金属と金属とが共鳴するような、硬く透明な音です。
ーお前は、なぜここにいる?ー
蛇の声でした。それはあまりにも美しく、ソラは痛みも忘れて言いました。
「君の声は、とても綺麗だね」
金色の瞳が見つめています。鐘の鳴るような声が響きます。するりと蛇が離れました。ソラは、目の前がチカチカして、耳の先がザワザワして、世界がぐるんと回って、そして、
(続く)