家は生きてるんだな、と思った日。
先日、古民家でライブだった。
お家のメンテナンスのお仕事の方で、田舎に古民家を持っていた。
古いものたちを大事にしていて、アンティークの着物や火鉢なども使っている。
お家に招いてもらうのは何度目だろう。
鍵も渡してもらったって、そういうことなんだ。
前日、前乗りさせてもらって、そのままライブ仲間と一緒に泊まった。
玄関に人(生体反応?)が来ると、センサーでピンポンがなるんだけど。
夜中。
「ピンポーン」
鳴るんだよね。
お家がさ、
「あっ、夜なのに人がいる!帰ってきてくれたんだ!」
って、嬉しくなってピンポン鳴らしちゃったんだよねって。
だってピンポンするのって「人」じゃん。
帰るときにお家に「ありがとうーーー!!」って言ってカーテン閉めたらさ、
外してた襖が倒れるんさ。
「また来るね」って階段降りようとしたら、
手すりに上着引っかかるんさ。
それは、ただ単なる物理現象に過ぎない。
だけど、そこに意志を感じる。
今回作った物語は、20年近く付き合った愛車のお話。
先日、廃車にしたの。
あのこも遠出の度に、事故ることなく、たとえ事故っても、ご主人を守ってくれた。
「いつもいるよ ここにいるよ」
姿を変えて、形を変えて。
物、だけど。
どうしてもそこに意志を感じるのだ。
そんな「モノ」の話を描いてて、「あたしもー!!」って、お家が言ってるって思った。
小道具に使った鳴子は、先代のおかあさんのものだったそうな。
人の作った「もの」は、人のために役に立てて初めてその「もの」の力を発揮する。ものたちが、自分の役割をちゃんとわかってるということだ。
元来、古い物たちはいつしか命を宿す。
そんなもののけたちのお話。
わたしは見えも聞こえもしないし、ただのわたしの感情かもしれないが、
わたしがそう感じたなら、わたしにとってはそれが真実。
だからやっぱり、描いていくのだ。
絵に、歌に、物語に。
だから、あなたの大事なものたちも
描きたい。
描くよ。